感想記

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万葉集1068

歌聖と称された柿本人麻呂が夜空を詠んだ和歌。

 

 

天の海に雲の波立ち月の船 星の林に榜ぎ隠る見ゆ

 

 

なんだか神秘的な感じがする。

 

さすが、人麻呂。

 

美しい。

 

 夜空が海で、雲が波で、月が船で、

 

ん?

 

星は林?

 

何故に海でまとめなかったんだ?

 

思いつかなかったの?

 

人麻呂って、そんな凄くないってこと? 

 

海に関する見立てでまとめると単純すぎるから、そうしなかったんだろうか?

 

確かに、「星の林」が不思議さが増しているような気がしなくもない。

 

「星の林」のおかげで、風に吹かれた林の木々の音が聞こえてきそうな、そして、その音がなんとなく星の瞬きの音にも聞こえるような。

 

それとも、人麻呂がイメージしてたものと私のイメージが違っていたのか?

 

壮大な夜空の海を、月の船がゆっくりと、穏やかな雲の波にゆられながら進んで行く様子を私はイメージしていたんだけれど、波は立っていると詠まれているし、言葉に忠実にイメージすると、

 

嵐の中、なんとか難破するのを免れようと猛スピードで港を目指している船が、勢い余って陸地に乗り上げ、そのまま林の中に突っ込んで行った。

 

と、いった感じになるのか?

 

でも、静かな夜空とする解釈の方が美しいので、「星の林」は上述のような人麻呂の工夫だったということにしておこう。

 

ま、人麻呂がどうゆう理由で「星の林」にしたにしろ、この和歌が美しいことに変わりはないのかもしれない。ABCDでの評価はA。

 

人麻呂の絵を飾って、人麻呂影供でもするかな。